仁藤洋平×多田哲也の「未来の店舗経営」連載企画第4弾。今回は「令和時代の店舗経営のヒント」について話します。
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目次
令和時代の店舗経営はどうしたらいいのか?
「令話時代の店舗経営はどう考えていますか?」
今日も「未来の店舗経営」について多田さんと話していきたいと思います。
よろしくお願いします。
ちょうど今、時代的にも分岐点じゃないですか?
元号も変わるわけですし。
さっきも多田さんとも話したんですけど、日本だけじゃなくて世界的にも色々と…イギリスがEUから離脱するとか、アメリカと中国がどうとか、時代が変わるタイミング。
そんなこれからの時代に、多田さんは店舗経営をどう考えていますか?
今の常識が通用しない時代になる
「同じことを続けていてもダメ」
昭和、平成、次の元号という形ですけど、昭和の時に僕は小学生。
働いていない中での小っちゃな記憶となると、やっぱり「昭和=バブル」っていうイメージしかない。
日本が華やかな時期で、経済成長してて、すごい良い時期だったと思うんですよ。
もちろん良いことばかりではなかっただろうけど。
就職する頃がちょうど不景気の始まりのような印象でしたよね。
平成の中でもグルグル変わってきて、自分自身も変化が必要な時代だったし、こんなにIT化されるなんて思ってもみなかったわけで。
僕らやっぱパソコンを使いますけど、今は絶対携帯が主流。
次の元号の時代は、もはや今のままで成り立つものは無いに等しい。
今のままで良いものなんてない時代だと思うんですよね、これからは。
成功していても、いつ失速するかも分かんないし、何が流行るか読んでいかなきゃいけないし、相当変わってくるだろうなって思いますね。
もう全然変わるんじゃないかなあと思う。
さっきも多田さんがおっしゃってましたけど、ITがどんどん発達して、SNSも生まれて、個人の情報を発信できるようになった。
平成の31年だけで、世の中が一気に変わってきたと思うんですよ。
僕が中学生の時って…携帯持ってたかなあ…PHSは持ってたかもしれないですけど。
まだポケベルとかギリギリあってもおかしくないぐらいですよ。
そういう時代ですから。
でも、今買い物だってネットで出来て、スマホで全て完結できる時代になってきて、あの時じゃ想像もできなかった時代になってるじゃないですか。
そんな今からの、これからの新元号の時代は、もはや想像できないんじゃないかなあと思うんですけど。
令話時代の店舗経営のポイント
「とにかく攻めるしかない」
続けるための変化はやっぱ必要だから、変化させつつも続けていきたい。
守るわけじゃなくて、攻め続けたいって思いますよね。
攻め続けてやっと平行線をたどれるぐらいだと僕は思ってるんで。
やっぱりそこは多田さんも同じ考えってことですね。
自分が攻めるテーマを決める
「今は僕自身、変化の時期」
9店舗経営していて、いろんな経営の仕方でやってるから、まだ自分で見れる範囲なんですよ。
何百店舗もやってるわけじゃないし。
それぞれの店ごとにやり方があって、今後の展望があります。
ちょうどこのタイミングでなんですけど、M&Aで2店舗売却しちゃったので今は7店舗。
ちょっと縮小した状態なんですよね。
さらに成熟して考えられるから、今は出店ではなく、自店の強み弱みを把握して、基盤をしっかり立てる。
出店が飽きたわけじゃないですけど、そこにかける情熱とか時間とか体力って結構ね…。
だから、仁藤さんはすげえなあと思うんですけど。
まだ僕はそこまで達してないんで。
だって、既存店で育った人間を引き抜いて、新しい店舗に回すわけだから。
毎回パワー使いますよね、いろんな意味でね(笑)
新しい店舗の売上を上げるためにもパワー使うし、もともとの店の売上も落としたくないから、そっちにもパワー使う。
それを続けていくのは、なかなか大変なのかなあとは思うんですけど。
迷惑かもしれないけど(笑)
弱い店ってのはやっぱりそういうとこに力を掛けないといけないって分かってるから。
せっかくだからマーケティングをお願いしたいなと。
仁藤さんも得意だと思うけど、切り口がやっぱり違う。
似ている部分もいっぱいあって、物件の選び方とか、内装のコンセプトとか、作るときにすごい明確にイメージがちゃんとあって、そこで失敗しないやり方を取ってると思うんですよね。
僕もそういう風にしてきたつもりだし、その後の家賃以外の数字の部分だとかっていうのは、やっぱりやってみないと分かんないので、その後の修正でいいかなと思うんですけど。
なんで、今は自分のお店に限って言うと成熟させていきたい。
かといってやっぱり物件も見ちゃう(笑)
やっぱり「面白いものをやりたい」って気持ちがある。
新しいテーマやイメージが勝手に湧いちゃいますよね。
じゃあ「攻め続ける」っていうことが1個キーワード。
皆さんどうしても守りに入りがちになっちゃうと思うんですけど。
多田さんは、店舗展開という意味では守りなのかもしれないですけど、店を成熟させる上では攻める。
それは新しいスタッフを雇うことかもしれないし、スタッフ教育かもしれないし、技術向上のために新しい何かを仕入れたりとか、常に攻めのアクションを取るということですね。
投資感覚を持つ
「新しい考え方が必要になる」
建前かもしれないですけど、Webマーケティングを僕にお願いしたいって話の部分も(笑)
自分でやるのにも限界があるから、ノウハウを買うじゃないけどやっぱり必要だと思いますね。
全部自分1人でやるなんて無理
やっぱり店舗経営者って、どうしても1人で全部やろうとしちゃうじゃないですか?
僕らもそうやってきたと思うんですけど。
でも、普通の一般企業的にいうと、自社で全部やるとこはないんですよね。
どっかは絶対外注してるし。
店舗経営者には、その視点が無さすぎるんですよね。
もちろん資金力がちょっと乏しいというか、人件費に対しての利益が少ないので、外注ってなかなか考えにくいのかなあとは思うですけど。
でも、その外注費用も色々な使い方があるし、自分で勉強すればコンサルに頼むよりもお金を抑えられるし。
そこら辺をちょっと考えて、自分1人でやるのは辞めた方がいいのかなって思うんですよね。
というのと、あとやっぱり多少リスクを負って、費用を掛ける。
そうしないと、リターンがないわけじゃないですか。
それはもう世の中の鉄則であって、勝手に上がっていくわけじゃないから……
そういう投資は続けないと、伸びてはいかないなって思いますよね。
今の時代ってお金、お金じゃないし、クラウドファンディングすればネット上でお金をもらえちゃったりする時代。
でも、それができる人ってすごく稀なんですよね。
今だったらキングコングの西野さんとか、有名なホリエモンさんとか、ああいう人が一声掛ければもちろんお金は集まる。
あの人たちが提唱するのは、そういった人間関係やフォロアーを増やす努力を日々していけば、別にお金なんか必要なくて、信用を集めればいいんだっていう話。
でも、それって一長一短というか、簡単にできるわけじゃない。
時間がどうしても掛かることなんで、じゃあ、そうなっていくためにも、最初はある程度お金で時間を買うことも大事じゃないですか?
技術以外の「ウリ」を作る
「もう技術だけやっていてもダメじゃないですか?」
「別に椅子と鏡があればできるじゃん」っていう美容師さんもいらっしゃると思うんですけど、でも、そこも僕は重要な投資かなと思っています。
前回の話でも、空間がお客さんが選ぶ理由の1つにもなる可能性があるっておっしゃっていたじゃないですか。
お店を選んでもらえる理由を何個も作ったほうが良いと思うんですよ。
それの1つとして、空間も可能性があるわけじゃないですか。
個人店こそ内外装にこだわろう
無いよりあるほうが良いに絶対決まってるんですよ(笑)
こだわればこだわるほど、その空間が気に入ってもらえて、その空間に来てくれることになるんで。
もしかしたら、誰かスタッフが辞めても、その空間が好きだったら来てくれる可能性もあるし。
空間が他の店との差別化ができてれば「何かあそこの店ちょっと違うよね」っていうので、来てくれる可能性もあるわけなんで。
内外装に投資する価値はあると僕は思ってるんですよね。
地方だけど、自社ビルを持っているっていうのは1つやっぱりインパクトあるので。
だって、面白かったのは、高松で飲みに行ったときに「ココモっていう多田さんのお店はちょっと違う」って他のお客さんが言ってましたもんね。
「高松の中でもちょっと高級層というか、ちょっとセンスが高い人たちが行く店だ」みたいなことを言ってましたけど。
戦う土俵は自分で作る
やっぱりそこを目指してるっていうのはあります。
実際、どこまでそうなれてるかは全然分かんないですけど、価格帯でも、他の土俵を見るわけではなく自社の土俵でいきたい。
だって、結構安い店が多いじゃないですか、高松って。
もちろん、価格が高いからといって、出来ていない部分もある。
でも「目指すものはこう」っていうのは明確にしたのと、それはブラしたくないんで。
そもそも価格帯を高めにしたいという狙いがあると思うんですよ。
技術の安売りはしたくない。
だから、もちろん技術も極めるし、接客もちゃんとする。
プラス空間もこだわるってことですよね。
だから、全然理美容業界じゃない飲み屋の姉ちゃんもそういう話をしてたんで、すごいなあって。
そのブランディングが、しっかり高松でできてるんだなあっていう印象を受けました。
どんどん借金しよう
「借金にひるんでる場合じゃない」
僕は将来「借金のすすめ」みたいな本を書きたいなぐらいに思ってて、だって、借金した方がいいじゃないですか?
したほうがいいと思います、僕は。
でも、お金で時間や価値、ブランドを買えるんだったら、買っちゃったほうがいいじゃんっていうね。
変なとこから借りるとちょっと駄目ですけど、ちゃんとした借り方すると0.何パーとか1パーとかの世界なので、タダ同然なんですよね。
1,000万とか2,000万とか、多田さんだったら億単位の出資もしてもらえてると思うんですけど、それを自分で貯めていこうと思ったら無理じゃないですか(笑)
もう働く意欲がなくなっちゃいますよね。
借金して、成功確率を上げる
なんか、借金しないで「借金ゼロ経営だ」なんて言ってる人もいて、まあそれもありなんですけど。
でも、それをやって失敗する可能性が高くなるんだったら、僕は借金して上手くいく可能性をあげたいんですよね。
そのためにお金を借りてるところがある。
内外装もちゃんとやることによって、店が上手くいく可能性も上がるじゃないですか。
だから、掛けるべきところにはしっかり投資する。
Webマーケティングに対してもそうですね。
僕も外注する部分は外注してるし、誰かに任せていい。
自分でやっても大したものができないし、プロに任せたほうが上手くいく可能性が上がるから、お金も払ってるっていう。
そのためだったら僕は借金って絶対したほうがいいと思う。
だから多田さんは、まだ30代で9店舗やってて、海外にもいっぱい行ってて、色々ビジネスができてんじゃないかなあと思うんですけど、多田さんもそういった考えはありますか。
僕も少なからず借金をしてきたし、出資もあるけど、逆に投資もしてきました。
やっぱり投資に向ける余裕っていうのは、お金を集められてるからっていうのもあるし……
本気の金持ち以外「無借金経営」は無理!
例えば、クラウドファンディングは1つの無借金経営だと思うんですね。
あとはファイナンス掛けて出資を募るっていう。
資本金を入れてもらうっていう、それももちろん無借金経営。
だから、どこかからお金は出てるわけであって、それが銀行か人かっていう差なんですよね。
お金が必要ってことに変わりはないから。
お金を得ることによって余裕資金を得て、それを投資に回す。
投資っていうのは今の事業への投資ですけど、しっかり費用を掛けていくっていうことはやっぱり必要なんだろうなって思いますね。
だから、手法は何でもいいと思うんですよね。
クラウドファンディングだろうが銀行だろうが。
変なサラ金みたいなのは駄目ですけど。
自分はどの方法が適してるのかをしっかり見定めて、どんどん借りて、どんどん自分のやりたいことを実現させていったほうが結果として上手くいくんじゃないかなあって僕は思ってます。
ビジネスを大きくしていくには、実際必要ですよね。
こだわるところをこだわらないと、他のお店と一緒になっちゃうし。
AIが入れないところで戦う
どんどんロボット化していく。
そうなったときに、人間がやっている店が選んでもらえる理由って何なのか?って考えると、人間力だったり、空間だったりになると思うんですよね。
だって、ロボットのお店で、空間が良くても伝わり切らない。
だって、空間っていうのは、そこで働く人からにじみ出る物だと思うんですよ。
うちの店だったら、やっぱりストリートスタイルを謳っていて、そういうスタッフ達がいるからこそ、空間が成り立っている。
それに賛同してくれるお客さんが集まるっていうとこだと思うんで。
だから、お金は掛けるとこに掛けまくって、自分のスタイルとか、自分のコンセプトをしっかりと表現して、伝えていく。
そうして最終的に、選んでもらえる店になっていくんじゃないかなあと思うんですよね。
だって、クラウドファンディングだって、お金をタダでもらえると思ってるかもしんないけど、結局返さなくちゃいけないんだよね、あれ。
特典みたいなものを。
そこら辺も考えると結構お金が掛かるし、あくまで1個の手段じゃないですか。
銀行の融資だったり、金融公庫の融資も、借りられる時はどんどん借りた方がいい。
創業融資は絶対借りろ!
1つの店を作るとなると、やっぱりそういうとこからスタートすべきかと思いますね。
そう思います。
もしかしたら2,000万ぐらい借りられるかもしれないじゃないですか。
現金をどれだけ持っておくかって、結構重要な点じゃないですか?
スタッフさんを雇う上でも、家賃を払う上でも、色々と現金で払わなきゃいけない部分って多いじゃないですか。
だから、経営すると現金の重要性がわかる。
カード社会になったとしても結局、給料は現金から支払われるわけなので。
そういう意味でも資金を集められることは重要。
その方法として、借金を全然ネガティブに捉えないでもらいたいなあとは思いますけどね。
未来の店舗経営のまとめ
「今日はありがとうございました」
まとめますと、新元号になろうと、常に攻め続ける姿勢を持っておけってことですね。
あとは、外注を視野に入れなきゃいけない時代になってきたってこと。
時代の流れも早いので、どんどん取り残されちゃうと思うんですよね。
時代についていくためにも、プロに任せるところは任せる。
あとは借金しろってことですね(笑)
それしかない。
っていうとこで現金の重要性は店舗経営するとよく分かる。
だから、資金を集めることは常にやっておくと良い。
多田さんも、色々な資金の集め方してるじゃないですか。
それを知ってるだけでも全然違うと思うんですよ。
こういう店だったら、こういう風にやったらいいとか、色々な選択肢の中から選ぶことができるので。
もちろん自己資金で出来る時は、自己資金でやっちゃいますけど。
僕も最近、移転とか改装とかしてるんですけど、そのぐらいのレベルだと別に自己資金でやっちゃう。
「3,000万お店に掛けて1からやります」ってなると、もし自己資金があったとしても、掛けないほうがいいんですよね、やっぱり。
その後のリスクがあるから。
絶対借りちゃったほうがいいわけなんで。
で、その時に借りた運転資金を、もしかすると次のお店に使えたりとか、次の事業に使えるので。
そこら辺もしっかりと考えてもらえたらなあと思います。
多田さんに会える機会を作りました
さらに、これから独立開業する方に向けて、多田さんに会える機会を作りました。
僕と多田さんによる「開業コンサルティング」を行います。
興味がある方はぜひお越しください。
開業コンサルの詳細はこちら
http://yohenito.com/nt-consulting/
ということで多田さん、本当にありがとうございました。