【未来の店舗経営③】多業種・多店舗展開の極意

令和時代の店舗経営のヒントを探る「未来の店舗経営」連載企画第3弾。今回は「多業種・多店舗展開の極意」について話します。

音声版はこちら

多田さんの経営者人生について聞きました

仁藤洋平 多田哲也「今回は多田さんの過去について聞かせてください」

仁藤洋平
こんにちは、仁藤です。

今日も未来の店舗経営について多田さんと一緒に話していきたいと思います。

よろしくお願いします。

多田さん
よろしくお願いします。

仁藤洋平
前回は「理美容業界に対して思うこと」について話しました。

これを読んでる方も共感する部分が多かったんじゃないかなと思います。

で、前回のような話ができるのは、やっぱり多田さんが今まで色々な経験をしてきたからじゃないですか?

なので、今回は多田さんの過去について詳しく聞いていきたいと思います。

経営者としてのスタートは20歳

多田哲也「20歳で店を任されました」

仁藤洋平
16歳で美容師になって、その会社のお店を任されたんですよね?

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
多田さんの経営者としてのスタートは、1店舗を丸々任されたところから始まった。

オーナーさんとやりあって、お店を任されて、3年間でガンガン売上を上げてそこを買い取ったっていうところですね。

多田さん
そうです。

仁藤洋平
そこからスタートしてると思いますけど、結構お金も支払ったんですか?

多田さん
そうですね。

当時、意見が衝突して19~20歳ぐらいの時にお店を任せていただいて、やっぱりその時「まだ早い」って言われましたよね。

僕は自分とこの従業員でも、「19歳で独立したい」って言われたら「無理だからやめろ」って愛情があれば言いますよね。

だから、良い意味でちゃんと止めてもらえた。

あとは「こいつ面倒臭いから、1個切り離して自分から見えないとこで結果さえ残せばいいからやってこい」みたいな感じで出されたっていうのと両方なんですけど。

23歳で店ごと買い取った

多田哲也「自分で出来るとわかったんです」

多田さん
それで3年間続けて結果も出せて、会社に利益も残せたと思いますし、区切り良いところでお店ごと買い取ることにしたんです。

自分とアシスタントでやっていたお店なので、自分が独立しちゃうと、お店自体がつぶれちゃうっていう状況だったから。

なので、結構な額を払ってます。

さらに、前の店舗名でやりたくないから、全面改装をして自分の店舗名に変えたので、普通の出店と同じだけぐらいは掛かってますね。

仁藤洋平
そのときは融資は借りたんですか?

多田さん
半分ぐらい借りました。

仁藤洋平
じゃあ、結構お金掛かってますよね。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
完全独立する前に、雇われ店長で準備ができたのは良かったですね。

多田さん
良い経験ができましたね。3年間で完全に計算ができちゃったから。

仁藤洋平
ねえ。

いい独立の仕方ですよね。

最初から自分で顧客ゼロからオープンするより、完全に自分のお客さんしかいないから。

丸ごとね(笑)

多田さん
そうなんですよ(笑)

仁藤洋平
お金は確かに掛かったとは思いますけど、良い投資だったんじゃないかなとは思うんですよね。

24歳で、規模を拡大するために移転

仁藤洋平 多田哲也「1年で捌ききれなくなりました」

仁藤洋平
でも、そのお店はすぐに辞めちゃった?

多田さん
そうですね。

当時、最高で売上200万上げていて、しんどすぎて、それをずっと続けることは不可能って、24歳の時に思ったんです。

あと、ちょうど1年ぐらいで全ての借金を返済しちゃったんですよ。

前倒し返済して。

なので、また簡単に借りられる状態になったのと、自分が体力的にしんどすぎるから広いとこに移転しようと。

物件を契約してから、人とお金を集めた

多田さん
で、何となく物件を探してる時に「テラスが欲しい」っていう気持ちが漠然とあった。

一応中心部なので、土すら無いし、街路樹も無いぐらいビルが密集しているエリアなんですよね。

そんなエリアにテラスっていうか、オアシスがほしいと思って物件を探していると、一瞬で見つかったんですよ。

なので、すぐ押さえちゃって。

当時スタッフは僕1人、まだお金も借りていないっていう状態で、運命みたいな物件が見つかっちゃったから押さえちゃって、それから人を探したっていう(笑)

そんな感じですね。

仁藤洋平
(笑)

その時は融資も借りたんですか?

多田さん
また借りました。

仁藤洋平
でも、かなりあれですよね。

そうなると家賃は、最初は無駄に払ってる感じですね。

多田さん
そうですね。

払ってましたねね。

半年ぐらい掛かりましたね、オープンまで(笑)

仁藤洋平
(笑)

すごい。

多田さん
人が揃って、改装が終わるまではどうしても。

仁藤洋平
でも、物件って運命的なとこがありますからね。

多田さん
そうですね。

あれはちょっと取られたくないなって思って。

仁藤洋平
そうですよね。

押さえちゃったっていうとこですよね。

なかなか無いんじゃないですか?

勝手に砂を敷いちゃって良い建物なんてね。

多田さん
そうですね。

全部クレーンで運んで(笑)

仁藤洋平
(笑)

店内25坪+テラス20坪の店(笑)

仁藤洋平
何階だったんですか、それ?

多田さん
5階建ての5階なんですけど、店内25坪ぐらいで、テラス20坪(笑)

仁藤洋平
じゃあ、その20坪は使わないんですよね、結局?

観賞用みたいな感じ?

多田さん
そうです。

芝生を敷いて。

仁藤洋平
贅沢というか、アホというか(笑)

多田さん
そうなんですよ(笑)

仁藤洋平
何席ぐらい置けたんですか?

多田さん
最初は5席。

スタッフもいないから5席で始めて、スタッフが増えて……

仁藤洋平
一応5席は置いたんですよね。

多田さん
5席は置きました。

で、足りなくなったから改装して最後は8席まで増やしました。

仁藤洋平
テラス部分は残したんですか?

多田さん
残しました。

仁藤洋平
(笑)

多田さん
テラスも無駄に改装しました(笑)

仁藤洋平
最初のお店を前のオーナーさんから買い取ったり、内装も少し変えたわけじゃないですか。

そのお金がメチャクチャ掛かってんのに、1年半ぐらいでそのテラス付きの店を出したんですよね?

多田さん
はい。

仁藤洋平
だから、前に買ったやつは潰しちゃったってことですよね。

多田さん
そうです。

仁藤洋平
そうですよね(笑)

1人でやってたからね。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
それはなかなか…もったいないっちゃもったいないですよね。

多田さん
もったいないですよね。

仁藤洋平
でも、それだけ自分がやりたい欲求が強かった。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
自分を信じて。

お店のオープンまで半年かかったかもしれないけど、スタッフさんも来てくれて。

美容室が成熟する間に、飲食店を出した

仁藤洋平 多田哲也「せっかくだから他のこともやろうと」

多田さん
そうですね。

最初のオープニングスタッフはもう辞めちゃったんですけど、やっぱり僕も初めて人を雇ったっていうので、オーナーの器じゃなかったなって。

人を雇う器じゃなかったなって思います。

その後に入ってきたスタッフはまだ続いているんで、失敗を活かしながらやってきたという形です。

スタッフって、2年や3年で育つわけじゃない。

5年ぐらいずーっと、人を育てることと、店を流行らすことに徹していました。

ただ、自分のお客さんはいっぱいいるし、経営に困ってたわけじゃなくて、人が育つのを待ってた段階なので、結構飲み歩くことが多くなって、先に飲食店を始めちゃったんです。

仁藤洋平
そういう順番だったんですね。

たまたま良いバーテンダーと物件が見つかった

多田さん
バーを作ろうと思ってたら、たまたま良いバーテンダーが見つかったので、じゃあ出そうと。

さらにまた良い物件が見つかったから、じゃあ出そうっていう(笑)

仁藤洋平
(笑)

見つかんないときは全然見つかんないですよね、物件ってね。

でも、見つかる時ってのはパッと、運命的な出会いが。

そのバーテンダーの人もそれも飲み歩いてたから出会った?

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
ですよね(笑)

たまたま知り合ってってことですよね。

多田さん
色々なとこに行く中で、ちょっと面白いなって思うバーテンダーが見つかったんです。

お客さんとして来てくれてたんですけど、色々話してた時に「一緒にやりたい」って言ってくれたので。

物件は常にチェックしている

仁藤洋平
でも、物件ってずっと見てないと見つかんないじゃないですか?

だから結構見てるってことですね?

多田さん
見てます。

不動産屋さんっていうか、動いてくれる人は何人もいます。

たまに「最近どうですか?」って聞いてみたり。

自分でも歩いたり自転車で回ったりとかして。

仁藤洋平
前もそれ、多田さんと恵比寿にいた時に、ふらっと街の不動産屋さんに行ってね。

「良いの見つけました?」みたいな(笑)

ちょうど良いのがあったんですよね。

そこは駄目になっちゃいましたけど、あれもメッチャ良かったですよね。

最上階のやつ。

多田さん
あそこでしたかったですね、本当ね。(笑)

仁藤洋平
そうやってやっぱり動いてるんですよね。

アンテナを常に張って。

多田さん
物件見るの好きですね。

50軒ぐらい見て、やっと1軒見つかりますね。

ネットに上がった物件はもう遅い

仁藤洋平
本当そうですよね。

だから、もっとみんな探さないといけないと思うんですよ。

多田さん
ネットじゃ無理ですよ。

仁藤洋平
ねえ?

多田さん
はい、直接見に行かないと。

仁藤洋平
そうですよね。

現地の地場の不動産屋しか持ってない物件とかあるから、やっぱりそこも行かないといけない。

多田さん
ネットに上がった募集を見る時点で遅れてますよね。
仁藤洋平
確かに。

それは売れ残っちゃってる物件ですもんね。

だから多田さんは、不動産屋との付き合いも1人だけじゃなくて、何人も抱えて(笑)

多田さん
「あそこ、空くよ」っていう情報が欲しいですよね。

仁藤洋平
(笑)

「まだ空いてないけど、あそこやめるらしいよ」っていう情報ね。

多田さん
「3カ月後ぐらいにあそこ空くよ」とか。

それを知りたいですね。

準備できますしね。

仁藤洋平
結構、駄目な物件に出してる人が多いんですよ、僕のクライアントも。

ぜひそこら辺は参考にしてほしいなと思うんですけど(笑)

美容室の2店舗目を出店。しかし・・・

仁藤洋平 多田哲也「新しい店は上手くいったんですけど・・」

仁藤洋平
ちょっと話が逸れちゃいましたけど、そこから5年ぐらいやって、スタッフさんも育ってきて、飲食店もやって。

多田さん
で、次のスタッフが育って、はちきれるぐらいになっちゃった。

席が足りないぐらいになっちゃったんで、2号店の美容室をもう1つ出そうと。

その時の物件選びもまた苦戦して見つけたんですよ。

見つかったんだけど、ちょっとワンランク上の店を作れそうな物件だった。

新しい方のお店をさらに高級にしたプランを作って、スタッフに任せるよりかは自分が行ったほうが流行らせられるかなと思って、自分を一番立てた店にした。

今まであったお店は任せて。

もちろん新しいお店は上手いこといくんですけど、元のお店がちょっと失速気味になっちゃった。

仁藤洋平
多田さんが抜けちゃったからね。

自社ビル購入を決意

仁藤洋平 多田哲也「スタッフ全員を見れるようにしようと」

多田さん
はい。

テラスもあって、すごい思い入れがあったお店なんですけど。

だけど、やっぱりスタッフに苦労させるし、このままではいけないと思ったから、それで自社ビルを購入したんです。

ちょっと表に出そうと思って。

仁藤洋平
大通り沿いの目立つところに。

多田さん
そうです。

不動産屋さんに「この額だったら買う」って言っておいて「そりゃ無理だよ」って言われていたのが「そこまで落ちた」と電話を頂いて「じゃあ、買う」みたいな(笑)

仁藤洋平
すごいよなあ。

そこでよく買えるよなと思うんですよね。

だって、最初にまず1店舗やって、そこは潰して新しい店舗をやって、飲食店をやって、その時点では2店舗しか持ってないわけじゃないですか。

そこでいきなり自社ビルですからね。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
それで融資も得るわけですよね、当然。
多田さん
そうですね。
仁藤洋平
結構な額を借りないと。

自社ビルですからね。

買っちゃったんですか、あれはもう?

多田さん
あれは買っちゃった。
仁藤洋平
すげえなあ。

外壁からデザインできることが嬉しかった

多田さん
ビルを建てるなら、店構えっていうか、外観から作れるっていう。

今まで内装しかできなかったのが、外壁からいじれるっていう、その嬉しさがすごい……(笑)

仁藤洋平
(笑)

多田さん
購入資金だけじゃなく、改装資金もすごい莫大に掛けて。

仁藤洋平
相当ですよね。

アメリカ中を周り家具を揃えた

こだわりのアイテムが並ぶ店内

多田さん
で、ブルックリンをテーマにして作った。

仁藤さんは来ていただいたんで、ブルックリンって分かると思うんですけど。

ニューヨークに行ってブルックリンを見てきて。

仁藤洋平
今でこそブルックリンバーバーみたいなのが流行ってますけど、あの当時はそんなの無かったですからね。

早かったですよね。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
ブルックリンにも行って、インスピレーションを受けて、物も買ってきたんですか?

多田さん
物は…。

ニューヨークってやっぱり何だろう…。

物が逆に……

仁藤洋平
良くない?

多田さん
ないです。

高いものはあるんですけど、やっぱりあれだけ人がいるから、取られちゃってる。

だから、西海岸付近の広大な土地でやってるフリマで集めたり、あとはもう日本中回って。

結構田舎のほうへ行きました。

あと、アメリカの家具を扱ってるとこに行ったり。

仁藤洋平
そういうところで買い集めて?

多田さん
そうですね。

店舗デザインは自分で行った

仁藤洋平
多田さんはいつも言ってますけど、店舗デザインを自分でやっちゃうんですよね?

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
だから、そこは設計士代は掛かってないってことですね。
多田さん
ゼロです、はい。

仁藤洋平
工事だけをお願いしてるってことですか。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
それは知り合いの方なんですか。

多田さん
そうですね。

その都度知り合いっていうか、誰かしら繋がりがある人に頼んでます。

仁藤洋平
そこで抑えられてはいるわけですよね。
多田さん
そうです。

相場より全然安いです。

仁藤洋平
そうですよね。

億とか掛かっちゃう可能性ありますもんね。

多田さん
そうですね。あの規模だと。

仁藤洋平
あの規模で全部高いレベルでやろうと思うとね。

じゃあ、抑えられる部分は抑えて、自社ビルを実現できたと。

前の店は潰したんですか?

多田さん
テラスがあったところは潰しました。

コンセプトを変えることによって新しい成功がある

仁藤洋平
じゃあ、その自社ビルは3フロアは美容室で、上が事務所になってると思うんですけど、そこで全部のスタッフさんを多田さんが見れる状態にしたっていうことですか。

多田さん
そうですね。

やっぱりコンセプト変えるってすごい怖いことですけど、変えることによっての成功がある。

もちろん失敗もあるかもしれない。

失ったお客さんもいると思うし、前のあれが好きだったっていう人もやっぱりいっぱいいらっしゃるんですけど、それに勝るものが変化に伴って得られる。

良い感じにスタッフも成長してくれて、満を持したタイミングで自社ビルを出したので、スタッフにとっても良かったのかなとは思いますね。

仁藤洋平
なるほどね。

じゃあ、来なくなっちゃったお客さんもいるかもしれないけど、結果的には良かったっていうことですね。

多田さん
そうですね。

東京に進出し、新たな事業を開始

仁藤洋平 多田哲也「東京で新しいことをやろうと」

仁藤洋平
ビルができてからはどのくらいですか?

多田さん
ビルは4~5年ぐらいです。

今はまだ成長過程ですね。

で、自分の地元の高松市には、やりたいことが無くなってきちゃったから、東京に出てきたっていう(笑)

仁藤洋平
なるほど(笑)

多田さん
っていう流れです、僕は(笑)

仁藤洋平
多田さんが東京に出てきてからどのぐらいですか?

多田さん
丸3年です。

個人で美容師をしながら、マツエクサロンをM&Aで購入

多田哲也「美容師だけやっててもつまんないので」

仁藤洋平
なるほど。

じゃあ、自社ビル建てて、2~3年経ったときには東京にもチョコチョコ来るようになって、マツエクのお店をM&Aで購入したりしてたってことですか?

多田さん
そうですね。

個人で美容師もやりながら。

仁藤洋平
あ、そうか、個人でもやって。

東京のお客さんもそこで作ったってことですか?

多田さん
そうですね。

結構転勤族の方が多くて、自分がもともと切っていた方が東京に何十人か結構いたので、そういう人と連絡取ったり、電話で「切りに来てよ」と言われて東京に来始めた感じ。

東京のお客さんがちょっと増えちゃったから、今いる事務所みたいなのを前も作ったんですよね。

仁藤洋平
個人サロンみたいなの。

多田さん
で、それがこっちに移ってきたっていう形なんですけど。

個人で美容師やりながら、マツエクの店舗を4つ。

仁藤洋平
ポンポンポンポンッと。

多田さん
ポンポンポンポンッと、はい、そうですね。(笑)

人気観光スポット「北浜alley」に複合施設を構える

多田さんのプロデュースしたKITAHAMA PORT
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2階建ての建物に雑貨屋、美容室、飲食店を併設

仁藤洋平
あと、忘れてましたけど、倉庫作りましたよね。

高松に。

多田さん
そうですね。

最近ですね。

海辺に。

工事中ですよね、来ていただいた時は。

仁藤洋平
そうですね。

おしゃれなモールっていうか、センスのいいモールみたいな。

おしゃれなカフェだったり、飲食店が立ち並んでる。

高松駅からすぐだと思うんですけど。

多田さん
駅からすぐ。

雑貨屋もあって。

仁藤洋平
雑貨屋もあって、美容室も入っていて、ライブもやってる総合施設。

それを多田さんが作った。

酔っ払った勢いでやることになった

多田さん
そうですね。

もともとそこに結構な老舗バーが入っていて、よく1人で飲みに行ってたんですよ。

そこのマスターが好きで。

仁藤洋平
2階にあるとこですか?

多田さん
そう。

そしたら、ちょっと歳なのと疲れたから、お店を誰かに引き継いでもらいたいって言われて。

朝の4時ぐらいで酔っぱらってるのもあるんですけど「じゃあ、僕やりますよ」って(笑)

仁藤洋平
(笑)

言っちゃって。

多田さん
そしたら、下の1階が美容室だったんですけど、それまでくっついてきちゃって。

やんなきゃいけないハメになっちゃったんで、ちょっと考えて。

同じことやっても意味ないから、もうごちゃ混ぜにしようと思って。入り口がいっぱいあるようなお店にした。

お茶飲みに来れるし、飲みにももちろん来れるし、ライブももちろん来れるし、あと観光客が結構多いんですけど。観光客の方がアクセサリーを見に来ててもいいし、自分たちの顧客ももちろん来るしという。

他業種が混じってるようなお店を作ったって感じですね。

仁藤洋平
ライフスタイルの店みたいな感じで、結構有名なアーティストさんもライブに来たりとかしてますよね。

多田さん
そうですね。

初めて設計士を入れた(笑)

仁藤洋平
それも結構お金が掛かったと……。

何かお金の話ばっかりしてますけど、掛かると思うんですよね。

あの規模の工事は。

多田さん
掛かりましたね。

消防で苦労して。

やっぱりすげえ古い倉庫なんで、ボロいんですよね。

仁藤洋平
そうですよね。

多田さん
そこをしっかりお店にするために、中に階段つけるとか、踊り場つけるとか、結構それで苦労しましたね。

仁藤洋平
吹き抜けみたいにしちゃってるじゃないですか。

あれは結構、工事が大変ですよね。

だって、そもそもない階段を作ったりしてるわけじゃないですか(笑)

多田さん
そうなんですよ。

仁藤洋平
ああいうのってメチャクチャお金掛かりますからね。

消防通すのもね。

要は安全面をちゃんとしなくちゃいけないからね。

かっこいいものを作るだけでは駄目だから。

多田さん
そこで初めて設計士入れましたね。

消防の関係で(笑)

仁藤洋平
(笑)

そこはさすがにね。

プロじゃないと。

観光客が訪れる人気店に

仁藤洋平
なるほどね。

安全性も保たなきゃいけないからね。

今も結構お客さんが来られてるんでしょう?

多田さん
そうですね。

観光客がやっぱり多くて、今までやってきたお店とちょっと違う。

そこに面白みがありますね。

仁藤洋平
良いですね。

高松の観光名所になってますよね。

回り道はしたけど、後悔はない

多田哲也「後悔してることは1つもありません」

仁藤洋平
今は、化粧品を作ったり、中国に行ったり、ロンドンに行ったり、順風満帆に思えますけど、多田さんからすると「もっとこうすれば良かったな」とかあるんですか?

多田さん
あとから考えるとありますよね。

無駄なお金をいっぱい使ってると思うし、無駄な改装もいっぱいしてるし。

ただ、やっぱり面白いものを作るっていうのと、その都度その時の自分の年に合った感覚で作れるから「あの当時作ったものはこうだったな」「今だったらこう作れるのになあ」ってのはありますね。

後悔してることは1個もないですけど、ちょっと回り道したなと。

移転ばっかりしてるので、時間は掛かってます。

仁藤洋平
そうか、そうか。

今だったら、もっと最短で今の状態に持ってこれるなっていうのはあるわけですね。

多田さん
そうですね。

スタッフにも自分と同じ独立はしてほしくないですね。

いきなり「1人でやる」って言われたら反対しますね。

「うちにいたんだからもっとやれ」「もっともっと攻めろ」って言いたいすね。

仁藤洋平
はいはい。

その方が楽だし、売上も上がるしとか。

多田さん
そうですね。

仁藤洋平
色々とスタッフさんにアドバイスしてるってことですよね。

次回は「未来の店舗経営のヒント」を教えます!

仁藤洋平 多田哲也「次回は読者の方へのアドバイスをお願いします」

仁藤洋平

もう何年ぐらいですか、独立してからは?

多田さん
独立して、この間ちょうど15周年になったので、16年目ですね。

仁藤洋平
15周年か。

その15~16年の間にすごい色々やられてきたわけですね。

15年間やってきても、1店舗しかやってない方も当然いますし。

それが駄目ってわけじゃないんですけど。

多田さんのように、今まで攻めてたり、色々挑戦してきたからこそ、これからお店をやろうと思ってる人とか、今お店をやって行き詰ってる人に色々アドバイスできるんじゃないかなあと思うんですよ。

なので次回は、多田さんの考える「未来の店舗経営のヒント」について聞かせてください。

多田さん
わかりました。

仁藤洋平
ということで、今日もありがとうございました。
多田さん
ありがとうございました。

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【仁藤洋平プロフィール】 1983年11月1日生まれ 埼玉県川口市出身 都内6店舗の理美容室代表 【店舗経営者として】 理容師になり5年目に、前店長の突然の退職をキッカケに自身が店長に就任。5席で月商105万円、新規客ほぼゼロ、スタッフ3名の赤字床屋の経営を任される。その後2年間で、1席当たり70万円売り上げれば優秀とされる理美容業界で、月商500万円を売り上げる繁盛店になる。怒涛の衰退産業である理美容業界でこの数字は圧倒的。2018年9月には「Chill Chair 高円寺北口店」をオープンするなど新店舗を続々出店中。 【コンサルタントとして】 現在では他店舗のコンサルティングにも力を入れている。店の「ウリ」を発掘し、独自の「スタイル」を軸に売上アップを実現する手法で実績多数。クライアント数は累計350店舗以上(2018年10月現在)。業種は理美容室、飲食店、ネイルサロン、エステサロン、治療院、製菓店、ワインショップ、眼鏡店、スポーツスクール、ダンススタジオ、通販など様々。エリアは北海道から沖縄まで日本全国、海外ではニューヨークなど各地にクライアントがいる。SEO対策に特化したホームページ制作も行なっており、制作実績は70店舗以上。全くのゼロベースからの新規出店プロデュースも手掛ける。 【著者として】 2015年8月に出版した著書「小さな床屋繁盛の法則」は、当時絶大な人気を得ていた芥川賞受賞作「火花」を抜き、Amazon総合ランキング1位を獲得。さらに同年の「Amazon2015年大賞」を受賞した。2016年9月には4冊目となる著書「店舗系マーケター」を出版。 【メディア掲載実績】 ・メンズプレッピー2016年3月号掲載(表紙) ・メンズプレッピー2016年4月号掲載 ・テレビ東京経済情報番組「モーニングチャージ」2016年8月出演 ・・・など多数。